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薬剤師の男女比と今後

長く就業

厚生労働省の平成24年(2012年)医師・歯科医師・薬剤師調査の概況によると、平成24年12月31日現在の薬剤師数は280,052人、そのうち男性が109,264人、女性が170,788人で、男女比は4:6となっています。
その前の調査が2年遡ること平成22年(2010年)の12月31日時点での総数が276 517人と平成24年よりも3,535人少ないものの、男性108 068人、女性168 449人で男女の比率は4:6と同じです。

平成24年の職種別の内訳は、薬局勤務が54.6%、病院・診療所勤務が18.8%、製薬会社や医薬品メーカー勤務が16.1%、行政機関や保健衛生施設勤務は2.3%、大学勤務は1.9%、その他6.3%となっています。
年齢別にみると、最も多いのが30代で25.6%、40代が23.7%、次いで50代20.5%、20代14.6%と続きます。
特筆すべきは、60代も10.9%、70歳以上も4.7%という結果から、長く就業する事が可能であることがわかります。

薬剤師は女性の方が圧倒的に多い職業で、尚且つ50年以上勤める事の出来る資格であることが言えます。
年齢層は勤め先の業種によっても異なりますが、いずれも平均して40代となっています。
嘗ては病院や診療所勤務も、薬局勤務もほぼ同数でしたが、20年前頃から薬局勤務の薬剤師数が急激に増加しています。
病院・診療所勤務の薬剤師数がほぼ横ばいであることから、増加した薬剤師数のほとんどが薬局勤務であることがわかります。

地域別男女比

地域によって男女比は異なります。
全国的に見ると4:6ですが、東京を中心とす首都圏や大阪を中心とするエリアでは3:7と女性が圧倒的に男性を上回り、兵庫県では2:8となっています。
それとは対照的に、北海道では男女比はほぼ同数で、顕著な差は見られません。

薬剤師という職業が女性に向いているという根拠は特になく、男女比がここまではっきりしていることの理由として考えられるのが、男性に不利というよりも、結婚や出産を経ても働き続けることが出来ることです。
しかしながら、薬科大学の6年制移行に伴い男子学生も増えていることから、今後は男女比も徐々に変化していく可能性があります。

女性の就業形態として多いのが非正規雇用、つまり派遣やパートなどです。
子育てや一家の主婦としての一面を持つ女性にとって、パートタイムや時短勤務が可能で、尚且つ高時給の薬剤師の仕事は極めて貴重です。
また、常に清潔であることが要求されるため、女性にとっては働きやすい職場と言えます。

減り続ける若手薬剤師

不思議なことに、薬剤師の総数は増え続けているにも関わらず、20代の若手薬剤師数が割り続けていることです。
その理由の一つに、薬科大が6年制になった際、2年の間新卒の薬剤師が出なかったことが挙げられます。
今後は20代薬剤師数は徐々に増えて行きますが、社会人デビューが既に20代半ばであることから、年齢層による比率は下位の方になります。