調剤ミスの実態について

薬剤師の責任

医師や看護師に比べて、直接患者さんの治療に携わっていないことから、忘れられがちではあるものの、薬剤師も医療に携わる人として責任があります。
薬剤師は薬剤についての知識を動員し、患者さんに対して正しい医薬品を提供しなければなりません。
これはどんな現場の薬剤師であっても同じことです。

しかし、人間のやることですから、ミスを完全になくすことは現実的ではありません。
それでは、いざ本当に調剤ミスを起こしてしまい、医療事故を引き起こしてしまった場合には、薬剤師にはどのような処分がくだされることになるでしょうか。

例えば、調剤ミスによって患者さんが亡くなってしまった場合の処罰についてです。
死亡者や重篤な後遺症が残るなどの患者が出てしまった場合については、刑事罰において処罰されることになります。
この刑事罰は実際にミスを起こした薬剤師だけではなく、薬局開設者に対してもくだされることになります。

ただ、この刑事罰とはべつに、資格の取消処分などが行われることはありません。
一年程度の薬剤師資格停止処分が下ることはありますが、あくまでも停止であって取り消しとなることはないというのが現状です。
さらに、死亡や重篤な障害などではなく、患者さんの回復がより早いものであれば、この停止期間も短くなることになります。

つまり、薬剤師は失敗に対して責任者としての罰を受けることにはなりますが、薬剤師としての罰はそれほど重くはないということです。
そして前述の通り、ミス自体の重さではなく、実際に患者さんに対してどのような影響が起こったのか、ということが判断基準となります。

そのため、調剤をミスしたものの、直ぐに連絡して服用を止めたという場合や、患者さんが自分で気付いて服用しなかったという場合には、罰の対象とはなりません。
だからといって責任感を持たずに仕事をして良いということでは勿論なく、薬剤師は薬剤師として、人の命を預かっているという意識を常に持って仕事をしなければならないことには違いがありません。
調剤ミスについては、未然に防げるよう予防を心がけましょう。

調剤ミス予防については、下記のサイトに詳しく記されていますので、そちらもチェックしてみてください。
参考:明日からできる調剤過誤防止対策|エーザイ

賠償責任保険

責任感を持っていたとしてもミスが発生してしまう可能性は拭い去る事はできません。
そこで、いざミスを起こしてしまった時のために準備されている制度、賠償責任保険制度について紹介していきたいと思います。
これは調剤ミスなどの理由によって医療事故を起こしてしまった場合の損害賠償について、肩代わりしてくれる保険制度ということになります。

薬局での調剤ミスに起因する事故で、実際に薬剤師個人に対して賠償責任を問う裁判というのは少なからず起こっています。
刑事罰や免許の停止以上に、これが個人の薬剤師にとっては大きな問題となります。
そのため、それに対する保険を掛けておくことは安心して仕事をするために重要となるでしょう。