薬剤師とフィジカルアセスメント

在宅医療の重要性

フィジカルアセスメントというのは、問診や聴診、触診、血圧や脈拍などをチェックする事で、患者さんの身体状態を判断するものですが、薬剤師が行う場合、その目的は薬の副作用の回避にあります。
薬剤師はサイエンティストであり、薬剤の専門家の視点から患者を診ることができるのです。

現在、医療の現場は医師をはじめ、薬剤師、看護師など全ての専門職の人材不足が問題となっています。
患者は減らないのに医療に携わる側の人材不足は、将来満足な治療が受けられなくなるかも知れないことを意味します。
さらには少子高齢化が問題に拍車をかけています。

近年、医師の仕事の一部を代行する、ドクターズクラークが増えてきていますが、それでもまだ完全ではないのです。
また、病院に通うことのできない高齢者や身障者の患者もいるため、在宅医療の需要が高まってきています。
さらには、薬を取に行くことのできない患者や家族の元に出向き、薬を届けるというサービスを行う機関も増えてきており、地域に根差した医療の在り方が確立しつつあるのです。

バイタルサイン

実質的な治療や診断は医師でなければできませんが、問診や身体状態のチェックや薬の作用を見る事で今よりもきめ細かい医療が可能となるのです。
実際体温、血圧、呼吸、脈拍、尿の量などのバイタルサインの実技講習を受ける薬剤師は増えており、迷うことなく現場でその技術を使うことができるようになっています。
薬剤師や看護師が聴診器を持つことで、肺炎などを発見することができるのです。

薬剤師が行うバイタルサインは、血圧、脈拍、血中酸素濃度ですが、これだけでもかなりの情報が得られます。
この薬剤師が患者宅を訪問することの意味は、処方した薬の服用によって身体の状態がどの様に変化しているかを知ることにあります。
しかしながら、薬の効果を知るための情報収集にとどまらず、患者の変化に気づくことが最大の目的であることは言うまでもありません。

服薬サポート

訪問医療は医師なら患者側もあっさり受け入れるものの、薬剤師が出向いて行ってもなかなか家に入れてもらえないケースが少なくありません。
高齢者の場合、服用が必要な薬の種類が多く、朝昼夕で服用しなければならない薬の種類が異なる場合、自分で管理できないこともあります。
そのため薬剤師がサポートをすることが望まれますが、患者からすると自己管理ができないと判断されていると感じることもあるのです。

単に服薬サポートのために訪問するよりも、バイタルサインを目的として訪問する方が、患者側も受け入れやすいのです。
一般に、薬剤師の医学知識の高さを知らない方が多く、医師も薬剤師に意見を求める事があるのだということを知ってもらうことが必要です。

薬剤師の仕事

言うまでもなく処方箋に基づいて薬を処方するのが薬剤師の仕事ですが、化学的知識が無ければできない仕事です。時に医師も処方ミスをすることがありますが、命の現場ではミスが許されないこともあります。
薬剤師が医師に処方ミスを指摘する事もあり、水際で患者の健康を守っているのです。